1980年代以降、医療制度は次々に変わって行きました。老人医療費の有料化、国保税の負担増、健康保険本人の負担開始等々。国保未納の増加、保険証取り上げ問題などが発生しました。病院経営も厳しくなりました。差額ベッドや混合診療は、医局でしばしば議題になりました。
「差額ベッド代を払おうと、混合診療で自費診療分が増えようと、まったくこたえない人たちもいます。そういう人たちの立場で制度を考えるか、それとも、弱い人たちの立場で考えるかです。」ある先輩医師が言った言葉です。私にとっては目からウロコの発言でした。 あの論議を通じて私は民医連に確信をもったと思っています。
いま循環器科を担当しています。弁膜症や虚血性心疾患の手術が必要な症例が年間4〜6件あります。島には心臓外科の施設がないので、島外に紹介することになります。患者さんや家族の交通費や宿泊費も考慮しなければなりません。それだけに、手術が成功して帰ってこられたときのよろこびはひとしおです。 |