私は研修医3年目で後期研修医として2012年4月から9月まで奄美中央病院で勤務しました。
 奄美大島は鹿児島本土と沖縄のちょうど中間に位置している離島で、人口7万人程度、面積も比較的大きな島(佐渡島に次いで大きい島)です。とても自然豊かな島で、周囲はエメラルドブルーの海で囲まれており、南国の島といったイメージにぴったりです。一方で自然の影響を受けやすく、天候不良の際はフェリーと飛行機が欠航するため、島内で生産していない乳製品が不足するようです。  
 離島といえども奄美大島の中心部では比較的医療機関は多く、テレビからの離島医療のイメージとは少し違っていました。しかし、少し中心部から離れれば医療機関の数もぐんと減ります。高齢者も多く、受診するだけでも大変そうです。また、奄美大島には心臓血管外科がなく、実際にヘリで沖縄まで患者さんを搬送することもありました。
 奄美中央病院は、外来、急性期から亜急性期の病棟、デイケアなど行っていますが、一番の特色は訪問診察でしょうか。100名近くの患者さんを、毎日コースを決めて訪問しています。実際に家での生活状況も見ることができます。非常に喜んで下さるお宅も多く、お菓子などおもてなしにその心があふれています。話が弾んでついつい次のお宅への訪問が遅れていくのが悩みどころです。また、外来では90歳代の患者さんが元気に歩いて受診されることもあれば、夜間は急患がいれば赤ちゃんの診察もおこないます。

 こちらに赴任して特に感じることは、幅広い年齢の患者さんを対象とし、医療だけでなく住宅環境や介護、家族状況などいろんな視点をもって対応しなければならない大変さです。しかし、大変さの中だからこそできる経験もたくさんあり、患者さんたちとスタッフから励まされながら楽しく勉強しています。
 島ならではの、明るくあたたかい人柄にふれたい!自然を堪能したい!離島医療を見てみたい!と思ったら、是非一度見学にきてください。

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